【Houdini16.5基礎編】1.Houdiniを学ぶ


今回の記事はHoudini全体についての紹介となります。

 Houdiniは、モデリング、アニメーション、レンダリング、シミュレーションに使用できるCGグラフィックアプリケーションです。

 Houdiniの学習プロセスでは、ノード、ネットワーク、アセットのインタラクティブ(対話型)な操作を含むクリエイティブな処理を管理する方法を学びます。

 Houdiniはノードベースの手続き型と呼ばれる処理の形態をとっており、モデリング、キャラクター、リギング、ライティング、レンダリング、ビジュアルエフェクトのすべてが、ノードベースのワークフローの恩恵を受け、各個の処理を実行するために必要なすべてのステップを管理するノードネットワークを構築できます。  また、ネットワークはより複雑な結果を生み出すために、お互いに相互連携して内部の情報を交換したりすることもあります。

 

手続き型(プロシージャル)とは

 Houdiniでは、すべてのアクションがノードに格納されます。 これらのノードはネットワークに「配線」され、「レシピ」を定義します。このレシピを調整して結果を洗練することを繰り返して、最終的に欲しい結果を作成するという流れになります。

 ノードがネットワークに保存され、ノードの内部情報をAttribute(属性)の形でネットワーク上の次のノードに渡すHoudiniの機能は、CG業界では手続き型(プロシージャル)と呼ばれています。

 

VFXについて

 ビジュアルエフェクトのアーティストは伝統的にHoudiniに重点を置いています。これは、このプロシージャルなワークフローがパーティクルやダイナミクスの操作に理想的です。 多くの場合、視覚効果はショット内で発生しているアクションに反応するように設計されており、Houdiniはこれらの反応を「自動化」します。 したがって、Houdiniはスタジオの生産性を高め、クリエイティブなプロセスをより強化してくれます。

 また、Houdiniは剛体の破壊、流体、粒子などの多くの要素がすべて相互作用するような、複雑で洗練されたビジュアルエフェクトを必要とする大きなデータセットを作成することも可能です。

プロシージャルな制作

 モーショングラフィックスプロジェクトの場合、たくさんの特殊効果を必要としますが、Houdiniにおいては、ノード上のパラメータを動かしたり、ノイズを追加することで、機械的に生成することができ、また、これまでの直観的な方法では作ることのできなかったような、新しい特殊効果を偶発的に生成できることがあります。

幅広いCGパイプライン

 VFXやモーショングラフィックスを超えて、Houdiniはモデリングからレンダリングまで必要不可欠なツールを提供しています。 Houdiniのプロシージャルワークフローは、皆様のCGコンテンツ制作をサポートします。

 Houdiniの強みはノードを1つ1つ自由に生成してネットワークを構成できることですが、インタラクティブに作業するためにシーンを確認できるビューポートや、ある程度のプリセットを持ったシェルフツールが多数あります。

直接的な結果

 Houdiniのノードは深く、細かいところまで編集をすることができます。Houdiniノードのパラメータに加えられた変更が、ネットワークを介してより後方のノードに伝搬され、最終的な結果を作成するようなシステムになっています。この直接性は、クリエイティブプロセス全体を通じて維持され、伝統的なCGパイプラインではコストが掛かりすぎる直前の意思決定による反映を容易にすることができます。

ツールビルディング

 ノードベースのアプローチのもう1つの利点があり、ノードネットワークをカプセル化して、コードを書くことなく他社と共有できるカスタムノードを作成することが簡単にできます。 そういったHoudiniの再利用可能なネットワークカプセルは、Houdini Digital Assetsと呼ばれる特別なノードに素早く簡単にラップできます。

 これらのアセットは、Houdini、またはAutodesk Maya、C4D、UE4、Unityなどの他のアプリケーション上で動作するHoudini Engine プラグインで利用することができます。

 

すべてのデータへのフルアクセス

 オブジェクトがアニメーションまたはビジュアルエフェクトのパイプラインに基づいて移動するとき、速度、キャプチャウェイト、UVテクスチャ座標などの情報がポイントまたはプリミティブのアトリビュートとして格納、蓄積されます。

 他の3Dアプリケーションでは、この情報をユーザーに見せないようにして裏で制御しようとすることが多いですが、Houdiniはこのデータの操作と管理を行うことができます。 これにより、はるかに強力で柔軟なアプローチが可能となり、作業効率や制作できるものそのものに大きな違いを生み出します。

もっと新しく

 Houdiniにもっと堪能になると、皆様と皆様のチームの生産性を向上させるショットやゲームレベルにアプローチする新しい方法を見つけることができます。 Houdiniは、プロジェクトのライフサイクル全体をサポートするための、ツールを構築する柔軟性を提供しており、単に問題に対処するのではなく、その原因となりうるポイントを予測し、手続き型ソリューションを使用してより効率的に作業することができます。

 皆様はこれからHoudiniを学ぶにあたり、今後のプロジェクトへのアプローチがこれまでのものより、一層多彩になることでしょう。 まずは、Houdiniの新しい作業方法を受け入れ、想像以上に深いレベルでCGを勉強する準備を行うことになります。

 

Houdiniにプログラミングは必要?

 基本的には必要はありません。 Houdiniはノードベースのワークフローのおかげで、他の3Dアニメーションアプリケーションでコードを書く必要があるようなものであってもインタラクティブに作成できる場合が多くあります。 Houdiniは非常に多くのアーティストが使用するツールであり、スクリプトやエクスプレッションを使用する技術的側面を持っていますが、ノードのみでの構築でもHoudiniは十分素晴らしいものを作成できます。 ノードはスクリプトに対して以前の状態に戻すことが比較的簡単であり、それにより容易にクリエイティブプロセスの仕組みを模倣することができます。

 一方で、Houdiniではプログラミングコードを利用し、更に高度な操作をすることもできます。Houdiniインターフェイスでは、Houdini専用言語のVEX、hscriptと汎用言語のPythonの3言語を扱うことができ、Pythonに関してはPyQTもサポートされています。 また、用途に応じてこれらを組み合わせることもできます。