【Houdini16.5基礎編】15.クラウドFXとボリューム


 今回の記事はHoudiniのクラウドFXとボリューム機能についての紹介になります。

 Houdiniエフェクトの最たるものは、ボリュームデータです。 Houdiniではシェルフなどのツールを利用することで、ボリュームデータなどの、作業の実行または補助に関しては各種ノードが内部より操作されます。その為、ノードを直接操作しなくてもボリュームを扱うことは可能ですが、内部構造について正しく理解することは今後制作をする上で有益な知識となります。

 ボリュームでは、ポイントやポリゴンではなくボクセルを使用してオブジェクトを作成します。 ボクセルは3次元ピクセルであり、これはひとつひとつのピクセルにボリュームがどのように表示されるかを知らせる情報が含まれている立方体のグリッドであり、これによって雲のような塊状の形状が作り出されます。 ボリュームベースのオブジェクトのクオリティは、その3Dグリッドの解像度によって定義されます。 解像度が高いほど、ボリュームの結果は高品質になりますが、その分パフォーマンスに影響を及ぼす可能性があります。

ISOオフセット

 ジオメトリコンテキストにあるIsooffsetノードを使用すると、多様なポリゴンジオメトリを取得し、Houdiniボリュームを構築して使用することができます。 さまざまな出力タイプの中から、霧やテトラメッシュを表示することができます。

CLOUD FX

 このツールセットは、ジオメトリを照明付きの雲のようなVDBボリュームに変換します。 Cloud Rigツールは、個々のクラウドを調整する場合や最終のルックに貢献するクラウド、または、クラウドノイズ、クラウドライトなどのローウァーレベルツールをよりよく理解する方法として役立ちます。

 作成したネットワークはクラウドソースをインポートし、これらの他のノードを適用した後、HoudiniボリュームとVDBを使用して雲のような効果を作成します。 Houdiniには、空をすべて雲で埋めるSky Rigツールも付属しています。

 UE4などのゲームエンジン用のクラウドスケープをHoudiniで作成するには、スカイリグを使用し、それをメッシュに変換してUnrealのspawn surfaceとして使用します。 この方法についてはSideFXウェブサイトにある、Andreas Glad氏のチュートリアルを参照ください。

OPEN VDB

 “OpenVDBはアカデミー賞を受賞したオープンソースのC ++ライブラリで、3次元グリッド上で離散化されたスパースボリュームデータの効率的な保存と操作のための一連のツールを備えています。 これは、DreamWorks Animationによって開発、保守されており、一般的に長編映画制作で遭遇するボリュームアプリケーションで使用されます。 ”

– openvdb.orgより引用

 Houdiniには、ジオメトリをボリュームに変換するジオメトリSOPネットワークで利用可能な、さまざまなOpenVDBボリュームノードがあります。

 

ボリュームの内部

 Houdiniのツールの多くは、ユーザーには外から見えない形で内部でボリュームを利用して処理を行っています。 例えば、以下のような処理においてボリュームが利用されています。

コライダ  – デフォルトで、ボリュームはダイナミックシミュレーションのためジオメトリをコライダに変換します。

シミュレーションフィールド – ダイナミックシミュレーションに寄与する密度や速度などのフィールドをボリュームで定義します。

ファー関連ツール – これらのツールは、ボリュームデータを使用してグルーミング計算をサポートしています。

Terrain – Heightfieldツールは、各ボクセルに各格子点の地形の高さが含まれる2Dボリュームを使用します。

レンダリング – ボリュームはマントラにおける水深と霧の効果の生成に利用されています。