【Houdini16.5基礎編】20.Houdini Digital Assets


今回の記事はHoudiniノードをラッピングする手法であるHoudini Digital Assetsについての紹介になります。

 ノードネットワークは、Houdiniにプロシージャルな性質を与える大本であり、これによって何度も繰り返し流用が可能になるレシピを定義します。 Houdini Digital Assetsを使用すると、これらのネットワークを包括してカスタムツールとスマートアセットを作成できます。 これらのアーティスト作成したアーティスティックなツールを繰り返し使用することで、スタジオ全体の生産性が向上します。

 Houdiniのノードベースのワークフローが優れていることの1つは、アーティストがこれまで行っていたであろう単純な繰り返し作業を、既存のノードネットワークを少し変更すると実現され、無駄な労力を排除できることです。 これにより、最初からプロセス全体を作り直すことなく一意の結果を得ることができます。

 Houdini Digital Assetsは、ネットワークまたはネットワークの集合体を、最上位に昇格されたパラメータを持つ単一のノードにカプセル化させることで、更に効率化されます。 このノードはディスクに保存され、他者がシーンにロードできる共有可能なファイルを作成します。

 

アーティストビルドツール

 Houdini Digital AssetsはHoudiniインタラクティブツールにて作成します。 ノードからアセットプロパティパネルにパラメータをドラッグ&ドロップするだけで、高度なインターフェイスを構築することができます。コードを記述することなくカスタムツールを作成できるので、テクニカルディレクターだけでなく、アーティストがカスタムツールを作成した際も、他者にすばやくツールを導入させることができます。

 Houdini Digital Assetsは、階段や家具、爆発などのビジュアルエフェクト、サーフェス上にオブジェクトを散布するための配置ツールなどのより一般化されたツールのプロシージャルなものである可能性があります。 現在のプロジェクト用に特別なコンテンツを作成している場合や、すべてのプロジェクト用に大規模なツールセットを作成している場合でも、アーティストは生産ニーズに合わせてHoudini Digital Assetsのコレクションを作成できます。

 

パイプラインへの組み込み

 Houdini Digital Assetがシーンファイルに読み込まれると、ディスク上の.hdaファイルを参照します。 つまり、アセットに加えられた変更は、そのファイルを参照しているすべての人のファイルに自動的に更新されます。

 これにより、更新プログラムを簡単にパイプライン全体に配置することが可能です。 現在、アーティストはディスク上の単一のアセットを指し示すことができます。これは、一度最新のイテレーションで更新されるとすぐにアクセスできることを意味します。

 Houdini Digital Assetファイルは、アセットで定義してある以上のものを保持することもできます。 アセットで使用されているイメージ、ジオメトリファイル、およびスクリプトを保存することで、他者がアセットを使って作業するときに、関連するすべてのファイルが使用可能になります。

 

ORBOLT

 Orboltは、世界中のHoudiniコミュニティのメンバーが、リグが入ったプロップからレンダリング可能なビジュアルエフェクト、アニメーション化可能なキャラクター、ゲームアセットなど、さまざまな3Dアセットを投稿するオンラインアセットマーケットです。 これらは一部は、無料で提供されており、一部は、有料にて販売されています。

 Houdiniには、ダウンロードまたは購入したすべてのOrboltアセットを保管し、作業中に利用することができるパネルがあります。 これらのアセットは、すぐに導入してプロジェクトに役立てることができます。 また、逆にOrboltに自作したアセットを投稿することで収益化することもできます。