今回の記事はHoudiniにおけるプロシージャルの根幹となるノードとネットワークについての説明です。
Houdiniのノードベースのワークフローをプロシージャルアーキテクチャの中心に置くことで、これらのノードやネットワークと直接連携し、Houdiniを効果的に使用することができます。 ノードのシステムと聞くと技術的な印象を受けるかもしれませんが、Houdiniのノードは比較的アーティストにとっても制御しやすいものとなっています。
Houdiniでシェルフなどにあるツールを使用すると、ノードが作成され、自動的に他のノードと接続されます。 結果として生成されたネットワークは、作業過程の履歴を残すと同時に、ノードが差し替えられることによって出力結果の変更や調整を容易にし、より洗練された結果を作りやすいものになっています。すべての作業をシーンビューで行うことは可能ですが、ノードネットワークを操作して作業する方が、より効果的で柔軟に作業することができるようになります。
ネットワークパス
ノードは、ネットワークマネージャーまたはサブネットワークと呼ばれる他のノードにネストされたいくつかのノードとともに階層的に編成されます。これらの階層を管理するために、ペインの上部にはブラウザのツールバーのようなパスがあります。
このパスを使用して、この階層または作業している他のネットワークを上下にナビゲートすることができます。 デフォルトでは、シーンビューで選択したときにパスが変更されますが、パスをピン留めしてフォーカスを維持することができます。 ターゲットアイコンを別のペインにドラッグしてパスを変更することもできます。
ネットワークの種類
Houdiniには、それぞれが独自の環境で動作するさまざまな種類のノードが含まれています。 ネットワークタイプは、ネットワークビューの右上隅にハイライトされており、使用しているネットワークの種類を決定するのに使用できます。 各タイプのノードは他のタイプのネットワークと接続できます。 ノードの種類によって、配線方法が似ていますが、それぞれ固有の機能があります。
下記にネットワークタイプの一覧を紹介します。
・シーン | オブジェクト | OBJ |
・ジオメトリ | サーフェスオペレータ | SOP |
・マテリアル | VEXオペレータ | MAT |
・モーションFX | チャンネルオペレータ | CHOP |
・VEX Builder | VEXオペレータ | VOP |
・アウトプット | レンダリングオペレータ | ROP |
・ダイナミクス | ダイナミクスオペレータ | DOP |
・コンポジット | コンポジットオペレータ | COP / IMG |
Houdiniの「秘密」の言語
経験豊富なHoudiniユーザーとHoudiniの話をすると、SOP、DOP、VOPなどの聞きなれない言葉を聞くことになるでしょう。 基礎編では、この「秘密の」言語を使用してノードのタイプについて説明し、プロシージャルな作業をどのように適用するかを学びます。
ネットワークのナビゲーション
各ネットワーク間を移動するには、さまざまな方法があります。 シーンビューのオブジェクトを操作するときに普通に起こるものもあれば、別のネットワークに素早くアクセスできるショートカットがあるものもあります。
選択モード – シーンビューで選択すると、ネットワークエディタが選択範囲の位置にジャンプします。異なる選択モードでは、選択するごとに異なるネットワークタイプに切り替わります。
ネットワークパス – パスをバックアップするにはネットワークパスを左クリックし、パラレルネットワークにアクセスするには右クリックします。
ホットキー – これらのホットキーは、選択したオブジェクトを操作するときに上下に移動する際に役立ちます。
・ノードに入る | [I]キー |
・ノードから出る | [U]キー |
・Objects/Geometry の切り替え | [F8]キー |
メニューにジャンプ – ジオメトリを右クリックすると、ジャンプするサブメニューを使用してジオメトリに関連するノードを含むネットワークに移動できます。 関連するものには、マテリアル、パーティクルネットワーク、またはダイナミクスネットワークなどがあります。
ノードのフラグ
ネットワークビューに表示される各ノードには、表示、ロック、またはバイパスされるかどうかを判断するさまざまなフラグがあります。 フラグ自体をクリックするか、ラジアルノードメニューを使用して、これらを呼び出すことができます。
ディスプレイフラグ [R] – ネットワークのディスプレイ出力ノードを選択し、青色のリングで強調表示されます。
レンダリングフラグ[T]-レンダリングのために出力されるノードを設定し、紫色の丸で強調表示されます。 このフラグは、表示フラグをCtrlキーを押しながらクリックすることでディスプレイフラグとは別に設定することができます。
テンプレートフラグ[E] – このフラグがついたノードは、参照として(半透明で)表示されます。
ロックフラグ – このフラグがつくと、ノードがロックされます。ロックされた時点でそれまでのノード情報はキャッシュされます。このフラグがつくと、ネットワークの処理ではキャッシュされたデータを参照するので、これよりの前のすべてのノードは無視されます。
バイパスフラグ[B] – このフラグはついたノードはHoudiniから無視されます。バイパスフラグのあるノードはネットワーク処理が実行されません。
ホットキーの選択と表示
ネットワークペインでも、シーンビューと同様にパンやズームを行うことができます。 これらのアクションキーの組み合わせは次のとおりです。
・パン | 中ドラッグ |
・ズーム | 右ドラッグ |
・ノード選択 | 左クリック |
・追加選択 | [Shift] +左クリック |
・選択解除 | [Ctrl] + 左クリック |
ノードの接続と切断
ネットワークペインのノードや接続とやりとりする方法についていくつか紹介します。
ノード接続: | 出力から入力へ左ドラッグ |
新規ノードの挿入: | 右クリック |
ノードの挿入: | コネクタワイヤにノードをドラッグアンドドロップ |
ノードの切断: | ノードを左ドラッグし、揺らす |
ワイヤの切断: | [Y]+コネクタワイヤに左ドラッグ |
ノードの移動: | ノード上で左ドラッグ |
選択したノードをコピー: | [Alt] + 左ドラッグ |
参照コピー: | [Alt] + [Shift] + [Ctrl] + 左ドラッグ |
ドットノードを使用したネットワークの整理はこちらのショートカットで行います。
ドットの追加: | [Alt] + ワイヤを左クリック |
ドットのピン/アンピン: | [Y]+コネクタの線を横切るようにドラッグ |
ノードギャラリー
ギャラリーは、使用頻度の高いノードにすばやくアクセスできます。 ギャラリーには日常業務で最も使用されるノードが含まれ、タブキーではすべての使用可能なノードにアクセスできます。Windows> Gallery Managerを使用して独自のギャラリーを作成し、ノードを右クリックしてギャラリーに保存を選択することでギャラリーにアイテムを追加することができます。
Matネットワークに保存されているノードは、Mantra マテリアルにおける「Mantra」 のような適切なキーワードが与えられている限り、マテリアルパレットでも利用できます。
ネットワークビュー
①ネットワークパス – 現在のネットワークレベルに至るパスを指します。 このバーを使用して、他のネットワークに移動することもできます。
②ペインメニュー – ネットワークを整理するメニューとアイコンです。
③ネットワークの背景 – ノードを整理するのに便利な背景画像をご自身で追加したり、グリッドを設定することができます。
④Sticky – 作成したネットワークを他者が利用する際の言伝や、ご自身のメモ等を記述できます。
⑤ノードギャラリー – ノードをここからネットワークにドラッグします。 下部にあるフィルタを使用して、必要なノードを探します。
⑥ネットワークボックス – グループ関連のノードをブロックにまとめて、すばやく移動、縮小、展開ができます。
⑦ノード – ネットワークの最終出力に寄与する操作を表します。
⑧コネクタ -ノードがどのように接続され、どのようにデータがネットワークを通って移動しているかを示します。
⑨ドット – ノードを整理しやすくするために、ドットコネクタを追加することができます。
⑩ディスプレイリング – シーンビューに表示されるノードを青円で示します。
⑪レンダーリング – 別のノードが表示されていてもレンダーノードは紫円で示されます。
⑫コメント – 各ノードの説明、またはメモ書きなどに活用できます。
⑬パレット – ボタンを上に移動すると、ノードの色と形状を設定できるパレットが表示されます。
ノードの情報について
ラジアルメニューまたはマウスの中ボタンクリックの、いずれかの方法でノードのインフォメーションボックスを表示するこのとができます。このパネルではノードの内容、グループ、アトリビュートおよびその他の重要な情報が表示されます。また、ワークフロー上で発生しているエラーについても表示されます。
このパネルは通常、操作を終えると消えてしまいますが、作業中にピンアイコンをクリックすると表示され続けます。 このパネルからコメントを追加してネットワークビューに表示することができます。