こんにちは篠島です。今までパスのレンダリングの仕方をいろいろと説明してきてVelocityパスの吐き出し方を説明しようと思いましたが、その前にモーションブラーの説明をしたいと思います。
今回のサンプルファイルです。
MotionBlur.zip
モーションブラーはオブジェクトの位置の変化によりブラーがかかるわけですが、ここでは3種類の位置の変化について見てみます。
- オブジェクトレベルでの移動
- SOP内での移動(Deformation)
- SOP内で v (Velocity)アトリビュートを指定することによる擬似的な移動
モーションブラーをかけるにはMantraでAllow Motion Blurにチェックを入れるだけです。シャッタースピードの設定はカメラのSamplingタブで設定します。Shutter Timeの値が大きくなればなるほどブラーは強くなります。
Mantraのデフォルトの設定でGeo Time Samplesが1になっています。すなわちオブジェクトの変形によるモーションブラーのサンプルは1回しかしないので、結果としてブラーがかかりません。なのでオブジェクトの変形によるブラーを付けたいときは値を2以上にします。
Xform Time Samplesというのがオブジェクトレベルの移動によるブラーのサンプル回数です。
今回はテストとして3つの球体を横に移動しています。
パッと見では全ての球体が同じ動きをしていますが、実はそれぞれの球体が別々の方法で移動をしています。一番下の球体がオブジェクトレベルの移動、真ん中がSOP内での移動、一番上の球体もSOP内で横に移動していますが上に上昇するような v アトリビュートを直接指定しています。v アトリビュートを使ってブラーをかけたい場合はGeometryのSamplingタブでGeometry Velocity BlurをONにします。Geometry Velocity BlurをONにして、もしオブジェクトに v アトリビュートがない場合はブラーがかかりません。
試しにレンダリングしてみるとおもしろい結果になりました。オブジェクト移動と、SOP内で移動している球体は当たり前のことですが横にモーションブラーがかかっています。しかし、v アトリビュートを設定したオブジェクトはその v アトリビュートに基づいてブラーがかかっています。
どうやら v アトリビュートによるモーションブラーはMantraのサンプルの影響を受けないらしく、Time Samplesを1にしてもブラーがかかったままです。
シーンファイルでいろいろとパラメーターを調整してみてモーションブラーがどうかかるのかを自分自身で試してみてください。