AnastasiaによるCreativity of Rules and Patternsビデオ紹介


どうも、篠島です。SideFXのGDCのデモの中で Anastasia というプロシージャル・アルゴリズム系に物凄く詳しい人がプロシージャルの考え方を紹介していたので、簡単に説明してみたいと思います。

 

アートを作る上で普段自分が行っている決断には意識的に行われるものと、無意識に行われるものに別れていて、プロシージャルのルールを作る上で無意識に行われている決断を言葉としてルールにするのは非常に難しい。例えばデザインする際になぜこの色やパターンが他の物よりも良いのか・・・等。

あるデザインを見た時に脳がデザインの良し悪しをどの様に判断するのかというのが分かれば、それを元にどの様にデザインすると退屈にならず興味深いものが出来るのかなどというルール作りが可能になってくる。

例えば、正六角形は単純な形なので退屈だが、1つルールを加えて複雑にしてやると、興味深い形が現れて脳が活性化する。単一オブジェクトだと興味深い形状でも、それと同じものを複数配置してやると、脳は一つ一つの形状の詳細を見るよりも全体をみてしまうので、結果として退屈なデザインになってしまう。なので多数配置するときはサイズや形状を変えることで脳を飽きさせない良いデザインを作ることが出来る。

この様なルール作りは言語とよく似ていて、例えば「ウサギ」という言葉を読んだら、そこから自分自身の中「うさぎ」データにつながり、その「ウサギ」は「かわいい」、「ふわふわした」などの様々な情報とリンクしている。今度は単語1つではなく、「She had lush spider eyes」など関連性のない単語を組み合わせてみると、それぞれの単語が自分の中からその単語に関するイメージを呼び出す事により想像が膨らみ、そこから新しいアイデアが浮かんでくる。この単語のつなぎ合わせの別の例で、例えば「He landed into it」(彼がそれに着地した) という文章は「彼」が誰なのかわからないし、「それ」が何を表しているのかもわかりません。「Sam jumps over a paddle」(サムが水たまりを飛び越えた)という文章が前に来ないと文章として何を言っているのかがわかりません。「Sam jumps over a paddle」の次に「He landed into it」という文が来ることで、ああ、サムは水たまり飛び越えられずに結局は水たまりの中に落ちたのねという意味が分かります。この単語と単語の組み合わせ、文章の繋ぎ方・・・・Houdiniとすごく似てるよね!っていう事です。要は色んなノード組み合わせて、色んなアイデアを試そうねという説明の比喩でした。

 

次にPikaPikaでのレイアウトの説明で、自分で実際にレベルデザインする時に脳がどの様に考えているかを解析し、わかったことが最初にバランスの悪い場所に物を配置し、後にバランスが取れるような場所に他の物を置くという事。そこで、キャンバスに配置したオブジェクトがどのくらいバランスが悪いのかを測る為に重力方程式を使って中心からのオブジェクトまでの重力G1を計算し、反対側にランダムにポイントをサンプルして、そのオブジェクトまでのベクトルG2を求める。G1+G2=0 となる様なオブジェクトの配置がバランスが取れているということである。

 

PikaPikaの床はGridを単純に敷き詰めた物で、ベルトコンベアは基礎となるラインを書いて、あとはインプットポイントに対して経路探索アルゴリズムを使って作っている。

 

Anastasia所属のEAによるPikaPikaプロジェクトはこちら
https://www.ea.com/seed/news/seed-project-picapica