Houdiniかんたんレシピ 21 ~ Take List ~


~基本的すぎてあまり紹介されない、ちょっと便利なTips紹介~

『Houdiniかんたんレシピ』は、Houdiniを使っていく上で、基本的なことですが、基本すぎてチュートリアル等で紹介されないような、ちょっとしたTipsやニッチな機能を紹介していくシリーズです。

今回はTake Listについてご紹介します。

Take Listを使うことで、ひとつのhipファイル内に任意のパラメータを変更した複数のバーションのシーンを作ることができます。主に、レンダリングの際に使います。
ROPごとに、それぞれ別々のTakeをレンダリングすることができます。

例えば、以下のようなシーンがあるとします。

ライトがRGBで3つ、ジオメトリがABCの3つ、グリッドが1つあるシーンです。

TakeListを作成していきます。
Takeは、上部メニューの右側にあるTakeメニューのNew Takeからか、Take ListペーンのAdd Takeから作成します。デフォルトでtake1という名前のTakeができるので、分かりやすい名前に変更しておきます。
ここではNoShadowという名前に変更しています。

上部メニューのTakeメニューはNoShadowに変わっています。
LightのShadow Typeパラメータを影を落とさない設定にしたいのですが、そのままだと全てのパラメータがグレーアウトしていて変更できません。
TakeメニューのAuto Takesをチェックすることで、パラメータを変更することができるようになります。この時、TakeメニューにAUTOのアイコンがつきます。

LightのShadow TypeをNo Shadowsにします。これで影が落ちなくなります。
Take ListペインではそれぞれのTakeで何が変更されているのかを確認することができます。Mainには自動的に、デフォルトの状態が入っています。

※Takeを設定した後は、必ずTakeをMainに戻してAuto Takesのチェックを外しておきましょう。そのままにすると、この後の作業内容が全てTakeに入ってしまいます。ご注意ください。

Mantraの設定をします。
影無しレンダリング用に、mantraROPをコピーしてmantraNoShadowという名前にします。mantraNoShadowのRender With TakeメニューからTakeをNoShadowに変更します。
これでレンダリングすると影無しでレンダリングできます。

さらにTakeを作っていきます。
Take Listは階層構造になっていて、ある階層の下にTakeを作るとその階層の設定を引き継いだ形になります。
例えば、NoSpotというスポットライトをOFFにするTakeを、NoShadowの下に作ると、影が無く、スポットライトもOFFになった状態になります。

NoSpot2というスポットライトをOFFにするTakeを、NoShadowのと同じMainの下の階層に作ると、影を残したまま、スポットライトはOFFになった状態になります。

あらゆるパラメータを設定できるので、Materialを変えることもできます。

このようにTakeを使うことで、違う設定の絵作りをする時にhipを分けたり、Geometryを分けたりする必要がなく、一つのhipの中でいくつものバリエーションを作ることができるようになります。

 

最後に繰り返しますが、
※Takeを設定した後は、必ずTakeをMainに戻してAuto Takesのチェックを外しておきましょう。
こちらを忘れないようにして下さい。