Houdini14新機能~ライティングとレンダリング~


全般

  • 単純化されたMantraノードのパラメータのレイアウトは、よりわかりやすくパラメータを整理し、非常に重要な制御部分が強調されました。
  • Render メニューとレンダーノードのインターフェースは、別々の Render to MPlay  Render to File の項目を持ち、出力ファイル名のせいでゴチャゴチャしないようにプレビューすることができます。
  • Mantraのライセンスは、マシン毎でありCPU毎ではありません。1台のマシン上でMantraのコピーを何個走らせても、Mantraは1ライセンスのみを使用します。
  • pathmap hbatchコマンドは、あるディレクトリを他のディレクトリにマッピングすることができます。このコマンドは、HOUDINI_PATHMAP環境変数の値を操作します。
  • Apprenticeのレンダリング解像度が1280×720に緩和されました。

レンダービュー

  • Proceduralシェーダはキャッシュ化されます。
  • レンダービューで使用するレンダーノードは、デフォルトでは1個のプロセッサ以外のすべてのプロセッサを使用します。これは、レンダービューを使用している時のユーザーインターフェースのインタラクティブ性を良くするためです。
  • RenderビューとCompositeビューのペイン内の背景画像には、HDR画像を扱えるようになりました。

ライティングとシェーディング

  • 新しい強力なPelting, UV Flatten , Layoutのツール。

H14uvflatten2

  • インタラクティブなUV Flattenワークフロー。

H14UVPinStep07

  • 歪みの可視化。

H14uv_distortion

  • Light Bankでオブジェクトへのリンクを設定するのに、パターン(例えば、hero*)を使用することができるようになりました。
  • Mantra Surface Shaderが新しくなりました。Roughnessマップが追加されました。インターフェースが整理されました。 パラメータがマップでグループ化されています。Fresnel Styleが削除され、SSS Multi Modeが追加されました。 Emission Illuminates Objects パラメータは、常にオンであるかに関係なく動作します。
  • Material Style Sheetsは、ディスクとネスト化されたパックプリミティブ、Alembicフェースセット、ロックされたOBJアセット、個々の群衆エージェントにマテリアルを割り当てることができます。
  • 新しい Find Materials ツールは、ビューポートでジオメトリをクリックして、そのジオメトリのマテリアルのパラメータエディターを開きます。 このツールは、デフォルトで既存のフローティングパラメータエディターを再利用します。新しいパラメータエディターを開く場合には、Ctrl + クリックを使用してください。
  • パックプリミティブの読み込みとAlembicジオメトリの表示が高速化されました。
  • Surface ModelとPBR SpecularのVOPが新しいバージョンになり、角度制御ではなくRoughnessが使われます。
  • hair BSDFとHair Model VOPで、より良いエネルギー保存とサンプリングをします。
  • デフォルトのMarbleマテリアルが通常のジオメトリとうまく動作するように変更されました。
  • .rat圧縮に新しくbloscオプションが追加され、デフォルトのgzip圧縮よりも若干高速化され、ディスク効率が良くなりました。
  • cvex_bsdf関数のサンプリングをテストして可視化するためのVerify BSDF SOPが追加されました。
  • Indirect lightのデフォルトのpre-filter ratioが1に変更されました。
  • ライトをsss寄与度としてラベルすることができるようになりました。

レンダリング

  • 直接/間接の光線用に 別々のサンプリング制御 ができます。
  • ファーのレンダリングが高速化されました。
  • GGX lighting modelは、時間差がほぼなくBlinnよりも良い結果がでます。
  • Mantraの起動が高速化されました。
  • 新しいピクセルフィルタリング機能。
  • 修正されたレイトレースサブサーフェススキャッタリング。
  • 共通の“extra image planes”は、レンダーノードインターフェースの便利なチェックボックスとして利用可能です。
  • Mantraレンダーノード内の“extra image plane”毎に対して、Deep Camera Maps(DCM)を生成する時に、その平面を排除するオプションが追加されました。
  • 新しい“extra image plane”タイプには、パフォーマンス問題をデバッグするのに役立つ情報を含んでいます: ray:nts, ray:nets, ray:nprims,ray:nobjs
  • オブジェクトとMantraレンダーノードの Render points as パラメータは、ポイントを球としてレンダリングするのに対応しています。 繋がっていないポイントは、円ではなくデフォルトで球としてレンダリングされ、pscaleアトリビュートは、直径ではなくデフォルトで半径として扱われます。 これは球のプリミティブをレンダリングするよりも50倍高速化することができ、メモリ使用量も非常に小さいです。 古い挙動に戻したいのであれば、Render Points As (Mantra) (vm_renderpointsas)と (vm_pscalediameter)を使用してください。
  • アセットプロシージャルをレンダリングします。
  • BVH構築が高速化されました。
  • レイトレースされるジオメトリ変形モーションブラーが飛躍的に高速化されました。
  • PrePostレンダーノードは、単一ノードのレンダリングをオンにしてサブネット内で実行した場合に動作します。
  • Mantraがパックプリミティブ フラグメント をレンダリングする時、Mantraはパックプリミティブのアトリビュートをジオメトリ上にコピーするので、フラグメント上の青いVelocityが動作します。 他のパックプリミティブタイプは、インスタンスとしてレンダリングされるので、この方法では動作しません。
  • パックプリミティブ上のアトリビュートは、renderstate関数を使ってシェーダ内で利用可能です。 例えば、パックプリミティブにCdアトリビュートがあれば、renderstate("packed:Cd", PackedCd)によって、その値を取得することができます。
  • モーションブラー付きでパックフラグメントをレンダリングすると、フラグメントのピボット上のvwのアトリビュートを考慮します。
  • Mantraのflatten procedural設定は、デフォルトでオンになっています。

コマンドラインユーティリティー

  • Mantraは、圧縮されたIFDファイル(拡張子が.gzまたは.sc)を読み込めるようになりました。Mantraは、Houdiniのファイルシステムのプラグインを使用するので、opdef:, op:さらにはhttp:プロトコルを使用してIFDファイルを指定することができます。
  • iautocropは、画像の解像度またはデータウィンドウを変更することで、閾値よりも小さいピクセルを切り取ります(圧縮、コメントなどのメタデータ、NDCマトリックスを保持します)。 これは、画像周りの空っぽのブラック空間を切り取るのに役に立ちます。
  • LUT(カラールックアップテーブル)ファイルを扱う2つのユーティリティが追加されました。ilutinfoは、LUTファイルに関する一般的な情報をプリントします。ilutcompは、2つのLUTファイルを単一ファイルに結合します。
  • ilutユーティリティは、“magic”ファイル名srgb, rec709, gamma=x.yを受け入れて、記述されたLUTを生成します。

他の変更と改良点

  • OpenEXR 2.2に対応しました。Mantra ROPは、OpenEXRのDWA圧縮メソッドに対応しました。チャンネル名の31文字制限が解除されました。
  • レンダープロパティが新しくなりました。
    • Render Visibility (vm_rendervisibility)には、オブジェクトの可視性を制御するカテゴリーパターンを異なる名前の光線タイプに格納します。これは、既存のvm_phantomvm_renderableのプロパティを置換します。
    • Velocity Quality (vm_velocityquality)は、レイトレースされるボリュームVelocityモーションブラーに対するMantraのサブディビジョン品質を制御します。
    • Flatten Procedurals: (vm_flattenprocedural)は、プロシージャルジオメトリがサブディビジョンまたは変形ジオメトリを共有する時のレンダリング順の詳細レベル問題を解決するのに役に立ちます。 これは、Alembicと他のパックジオメトリタイプに影響を与えることができます。
    • Ray Tracing Curve Bunch Size (vm_curvebunchsize)は、レイトレーシングアクセラレータを構築する時に、一緒に束ねられるカーブセグメントの数を制御します。
    • Enable Oriented BVH Construction (vm_bvhoriented)は、(もしあれば)シーン内のカーブジオメトリにうまく揃うようにレイトレーシングツリービルダーを調整します。
    • Depth of field aspect ratio (vm_dofaspect)は、歪像の被写界深度を制御します。
    • シアー(傾斜)、ピボット、オフセット、プリ/ポスト回転などのオブジェクトのトランスフォーメーションに相当するプロパティ。
  • デフォルトのカメラの絞りが41.2136から41.42136に変更されました。新しいカメラは、古いバージョンで作成したカメラよりも若干画角が異なります。
  • fog3dtexture3dのシェーダワークフローのサポートが削除されました。代わりにボリュームレンダリングを使用してください。
  • HOUDINI_RIBTEMP_DIR環境変数には、SHOPをRSLにコンパイルした時の中間ファイル(.sl.err)のディレクトリを指定します。